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二酸化炭素燻蒸のすすめ
仏像の虫害が発生している場合、外観からでは一見して気づくことができない場所に溝のような穴が多く入っています。
これは、虫が外側から小さい穴を開けて奥へと潜りこんで中を食い荒らし中は深刻な損傷を負っていることが多いためです。
虫害の修復は樹脂を使って穴や欠損部を埋めるかたちで行われますが、虫は木の深いところに潜んでいるため、絵具を落として木地が露出したあとでなければ、その被害がどの程度深刻なのか、その全容を把握することは難しく、特に絵具を落とさない文化財修復ではさらに厳しいのが現状です。
虫の卵は洗浄時の湯にも強い耐性を持つことが知られており、修復後にも虫害が進行する可能性が残ります。
環境に与える影響が少なく、危険性の低い安全な方法として博物館で注目を集めているのが、二酸化炭素を使用した燻蒸です。
弊所設備の二酸化炭素燻蒸装置は以下の特徴を持っています。
① 他社のガスのように発がん性のおそれのある有毒な成分をもたず、作業後もガスの残留の心配がないこと
② 文化財に与えるにおい、塗料、木の劣化などの影響が小さく、さまざまな文化財に安心して使用できること
③ 二酸化炭素は密閉した袋の中に入れて作業するため外部に危険が及ばないこと
④ 他のガスと比較した場合、有毒ガス用の高度な設備がいらないため、経済的に有利であること
⑤ 毒性ガスに比べて殺虫効果は劣るものの二週間程度の長い期間燻蒸を行うことで同等の効果が期待できること
今の美しい像容を後世に伝えるために、安全な二酸化炭素燻蒸をしたうえで修復をおすすめします。
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